射的

いつものほほんとしているペペロンなのですが、毎年行われるミルクせんべいバトルでちらっと見えたからという理由だけで8枚の棒を引くほど冷酷な人間でもあるのです。


このバトルでも入念にコルクをチェックし、「勝負は撃つ前からはじまってるんだよな。」などとぬかしやがってます。


だけどこれは間違ってません。負けると思えばその時点で負けです!さらにコルクというのは思ったより軽く、己の腕を過信せず重さを量るのは基本中の基本!!


そのうえ弾をうまく詰めないと撃った後に少しのずれが生じる可能性があります。標的は人間じゃありません、小さな小物が普通です。少しのずれが命取りになるのです。


そこまでわかっているとは!!ペペロン・・・思ったよりやるようです。


「で、どれ狙うよ?」
「せやなぁ、あれあれ! あのジッポ狙うわ」


さてここからが本番、射的というのは昨日も述べたとおり的に当てようが落とさなければ意味がありません。そしてなにより難しいのがこの落とすことなのです。当てることもそれなりに難しいのですがそれよりも落とすことです。 当てる<落とす となれば狙うは横長ではなく縦長、かつ質量は重すぎず軽すぎず。


横幅はあればあるほど狙いは定まりますが、こけても落ちにくいのでパスです。また、軽いものは、特に紙に帽子などと書いているものは撃って当ててもたまにふわりと回って落とせない場合があります。よってここでは確実にある程度吹っ飛んでくれる質量そこそこのを選ぶのがいいと思われます。


因みに漫画やアニメなどでは重いものを狙って 連続で当てたりするなどの技を披露し落としたりもしますが現実にそんなことは無理です。揺れているところを連続撃ちどころかびくともしません。ネタでやる分には問題はありませんがここは真剣勝負。ネタになど走っている暇はありません。


「おっけおっけー。それやったら俺もジッポ狙うわ。」
「はいはい、どうせ無理やけど。よっしゃいくでー!」
「おう!!」


その合図で試合開始!!










「で、おばちゃんこれどうやって弾こめるん?」
            
                               つづく                  

*ミルクせんべえとは ちょっとしたお菓子で、お箸のような棒を引いて先に塗ってある色でおせんべえの枚数がかわるというもので、この数で勝負をします。